先日、日本へ一時帰国したときに乗ったSQ便羽田行きの機内の中の出来事。
全員時間通り座席に座り、何事もなくスムーズにチャンギ空港の滑走路を離陸しました。間も無くすると機長から乗客に向けてのウェルカムアナウンスが始まります。
英語でしたが日本語訳するとこんな感じ。
「私、本フライトの機長の〇〇です。副操縦士は〇〇です。このフライトはSQxxx便のハワイ行きです。フライトの長さは約6時間ですが、途中気流の悪い箇所があるため、迂回する場合もあります。(略)・・・・。」
おい、こいつ今マジで「ハワイ行き」って行ったよな。いや、でも待てよおれのただの聞き間違いかもしれない。え、でもまさかおれ間違った飛行機に搭乗してしまったのか‥?いやいやいやそんなはずない。。あかん、冷や汗かいてきた。。
と、物凄いスピードで思考が回る重たい頭を上げて周りを見渡すと、明らかに他の乗客も不安そうな顔でざわついている。
「大変失礼しました!訂正します。このフライトは羽田行きです。ハワイ行きではありませんのでご安心ください。先ほど同僚とハワイの話をしていてうっかり間違えてしまいました(笑)」
やめてくれ。そういうドッキリをするのは。
ということで、そんなおちゃめなパイロットもいるSQのパイロットの年収はいくらなのかそして他の航空会社はどうなのかまとめてみました。
パイロット不足による給料高昇化
世界的なパイロット不足がシンガポール航空にも影響を及ぼしており、過去5〜6年間で約180人のパイロットが他社に移籍したほどです。
点を決めるストライカーほど高額なクラブ移籍に目が眩むってやつですね。
高額な給料をちらつかせ、SQの優秀なパイロットたちを引き抜いたのは主に、中東と中国の航空会社です。
アジア太平洋地域ではこの先20年間に24万人のパイロットが必要になってくると計算しており、パイロットの養成が急務になっているようです。
各航空会社のパイロットの年収
- 海南航空 約3,283万円
- エミレーツ航空 約2,200万円
- シンガポール航空 約2,023万円
- 全日空(ANA) 約1,981万円
- ユナイテッド航空 約1,920万円
- 日本航空(JAL) 約1,843万円
- スカイマーク 約800万円
中国系の航空会社がパイロットを爆買いしているのが伺えます。JALのパイロットに「給料を今の2倍出すからうちに来てくれ」と持ちかける中国系航空会社がいるのが現状でしょう。
それほどパイロット不足が深刻なのと、やはり腕利きで経験のあるパイロットは重宝されやすいのではないでしょうか。
自社養成型も少なく無いですが、中国系航空会社はそんな時間とコストをかけるなら、ベテランパイロットを買収したほうが早いと考えていると思います。
何百人という人命を預かる責任は自分には想像もできませんが、物凄い重圧の中で責務を全うする対価として各社から高額な給料が用意されています。
目指せ高給パイロット
日系の航空会社は就活解禁時期と同時に一斉に募集を開始します。マイナビなどの就活サイトを通じて説明会を申し込み、各航空会社の採用ページから申し込みまたは履歴書を会社に送付する形が一般的です。
自分も実は記念受験で就活のときにパイロット面接をしたことがあります。
2次面接で「あなたにとって優秀なパイロットとはどんなパイロットですか?」という質問に対して「新海 元(キムタク)のようなパイロットです」と言いそうになった自分にはどうやら全く覚悟が足りてなかったと思います。
シンガポール航空では年がら年中パイロットを募集しています。
LinkedInという日本ではあまり馴染みのない採用に特化したSNSで申し込みができちゃうところがいいですね。
まとめ
自分がハワイに行きた過ぎて間違えて「この便はハワイ行きです」なんてアナウンスしちゃうおちゃめなパイロットさんも狭き門をくぐり抜けた逸材です。
ゼロからシンガポール航空が丁寧に育てて、多額な給料を与えて面倒を見て来たのにもかかわらず、あっさりと中国系に転職をしてしまう。
このような引き抜きが多くなってきた現実をどうこれから対処していくのか。
CAを目指す若者が増えているのと比例してパイロットを目指す若者もこれからもっと増えると良いですね。