人気就職ランキング
シンガポールで生活していると多くの日本人の方と出会う。その場面は、所属しているサッカーチームやBBQパーティー、日本代表戦の応援など本当に様々です。現地で生活していて、日本人を見かけない日はまず無い。
その殆どの人が日系企業の駐在員であって、自身の所属する会社で長年勤め上げてきたベテラン兵。自らの会社に誇りとプライドを持ってその肩書きを恥ずかしがることなく首からぶら下げている。
「就職人気ランキングの上位に入る会社です」とダサい自己紹介を受けたときはさすがに引いた。たまにブログやツイッターなどでも同様の自己紹介を見かける。

※参考:キャリタス就活2019
「就職人気ランキングの上位の会社の歯車のおれすごいだろと暗に言われても、単一民族が鎖国された土地の上で育った社会のランキングをあてにしないでくれよ。せっかくシンガポールという多様性溢れる競争力高い土地にいるんだから、もっと視野広く行こうぜ、おっさん。」
と言いたかったのだが、日本人は言わないが美徳と誰かが言っていた気がするので、オブラートに包んでこう返した。
「シンガポールでは全く人気無いですよね。日系企業。」
古い成功体験という檻にずっと囚われているおっさんはすぐ態度や発言で分かる。
シンガポールの人気就職ランキング上位に入る日系企業はゼロ。日本食やアニメ、ジャパン文化は大好きな国民は冷静に日系企業には見て見ぬ振り。

※出典:Singapore’s100.com
これだけ多くの賢い駐在員と資金が日本からシンガポールの地に流れてきてアジアを統括する本部だ!だの勢いは良いはずなのに多くの日系企業はシンガポール人のカルチャーや働きに対しての価値観を意識せずに推し進めてきた代償をこれから払うことになるかもしれない。
重圧のかかる日系企業の対応
現地に合わせた労働改革を推し進めてきた日系企業もあるが、実際のところ日本人には不向きなんだと思う。今一度事業の在り方、会社の企業文化、制度、給料などを真剣に考えなければEP(労働ビザ)が厳格化された今のシンガポールを生き抜くのは難しいだろう。
現に最近は日本人がローカルスタッフに置き換えられることが増えている。
日本人駐在員の数を減らし、その空いた穴に優秀なローカルマネジメントスタッフを起用する。この動きがこれからより一層活発的になってくる。
ただ、ローカルスタッフもバカではない。というより日本人より厳しい競争社会&軍隊を経験している人材ばかりなので非常に優秀で人脈も厚い。
そんな優秀なローカルスタッフにまずは日系企業を選んでもらえるかどうかだ。そのためにはシンガポール人がどういう労働環境を気にしているのか、どういう会社を何の基準で選んでいるのか、給料が見合っているかなどの志向性の理解とその条件に企業側が近づいていく努力が必要になる。
自分もEPを保有している。
この流れは自分にも大きなプレッシャーがかかっている。
なぜなら自分のような現地採用日本人労働者側もシンガポール人や他の国籍の人と比較されたときに、それでもまだその企業に必要とされる人材になり続けなければならないし、その努力を怠ればシンガポールという国に自然とマッチしづらくなっていく。
つまり、シンガポールはこの国で働くことに対して「健全な競争」を再び喚起し、緊張感を導入し、力強い国家としての原動力をひき起こそうとしている。
この競争は企業であれ個人であれ同様で、改革を常に追求して行かなければ「あなたはグループリーグ敗退です。母国へお帰りください。」という感じでビザが没収される。
双方の文化への理解
長期的に見ればシンガポール人の雇用を守る方向に向かっている国の政策を理解して、日系企業も足早に変わっていかなければならない。
今後はシンガポールで採用したローカルスタッフを日本へ送り、日本で研修を行い、企業文化を理解させた上で、シンガポールで勤務してもらうようにしていく流れが必要だと思う。
ただ、日本人のニーズがまだ根強いのも現状としてある。昔の日系企業のおっさん世代は英語が皆無だったので、シンガポールでも日本語スピーカーの需要が大きかった。しかし、最近は語学ができる人も増えてきた。その上でなお日本人のニーズはある。
一番の理由がビジネス文化への理解。
日本的なやり方や進め方に慣れている人材。日本文化の中での暗黙知が共有できている人材。少なからずこのような人材の方がビジネスに関してはうまくいくということがある。
これはシンガポールで働く日本人なら誰しもが思うことだろう。
ローカルスタッフを悪く言うつもりはないが、日本のビジネスの進め方を知っているとどうしてもローカルスタッフの仕事の進め方を見るとフラストレーションが溜まる。なので、積極的にローカルスタッフを採用する姿勢に少々ブレーキがかかってしまうのがリアルなところ。
2017年1月から始まったシンガポール政府による「EP発行の厳格化」。人材確保が厳しくなった日系企業は今までの採用の仕方をガラッと変える必要が出てきた。その流れに乗り切れない日系企業はシンガポール人の採用に消極的とみなされ、ブラックリストに載ってしまう。
シンガポール人からも日系企業独特の文化や制度を懸念されて、見放される。日系企業としてもやっぱりビジネス的に日本人が良い。両者のニーズをマッチさせて腹落ちできる点をいかに早く見つけられるかが鍵となってくる。
もちろん政府はシンガポール人側の味方だ。
この大きな変革期に日系企業はどのように不得意なローカライズ改革を進めていくのかが注目される。
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