20代のシンガポール暮らし

一生日本に戻りたくない日本人がシンガポールで「自由」に暮らしているブログ

【海外就職】なぜ日本を逃げ出し東南アジアを選んだのか

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逃げ出したきっかけ

自分は大学生の時に周りの誰より先に「就職活動」を開始したと思っている。

 

似合わないリクルートスーツに身を包み、自己PRという仮面を被り、上っ面の良いことしか言わない企業説明会によく足を運んだ。どれもこれも「本当に意味あるのか」と常識を疑うことしかできなかった。1次面接、2次面接、最終面接。これらは結局、「その笑顔は他の誰かの悲しみで生まれ、絶望で花開くもの」だと察した。

 

ただ、もう一つ察したことがある。

 

それは「日本はいずれ豊かじゃなくなる」ということ。多くの企業研究や社会情勢のインプットを積極的に行なっていたわけか、どのお話も将来に魅力を感じることができなかった。理由は決してその企業が劣っているわけだからではない。一番の理由が「少子化」「高齢化」。これらの社会問題に企業が真剣に向き合っているのか、或いはあぐらをかいているのかは分からないが、ほぼ全ての企業が「グローバル化」というキーワードを掲げていたのを覚えている。顧客の母数が急激に減り、さらに高齢化してモノやサービスを買わなくなる。つまり消費はダブルで減っていく。なら、いっそのこと自慢の製品やサービスを輸出しようという目論見だと自分の小さな脳みそでもすぐに理解することができた。ただ、どこも企業のグローバル化に成功しているとは当時就職活動していた自分のようなちっぽけな学生には思うことができなかった。

 

そして誰よりも早く就職活動をやめ、すぐさま1年間シンガポールへ留学へ行くことを決意した。

 

正直将来に何の希望も見出せなかった。なので全て環境をリセットしようと思った。さらに、就職活動で得た情報(中国の台頭による脅威・積極的な海外進出)を元に井の中の蛙状態からの脱出を試みた。加えて、自身の目でそれらのリアルを見てみる必要があると感じた。場所は東南アジアならどこでもよかったのだが、たまたま英語をある程度話せたこともあり英語が公用語のシンガポールを選択した。動機として当時はまだご存命であったシンガポール建国の父リークアンユー氏のある言葉が自分にとっては大きかったと今になって思う。"If I were a young Japanese and I could speak English, I would leave the country". 2013年のOne man's view of the worldというリー氏の本の一文である。彼の意見をまとめると、日本が人口を減らしながら高齢化することは、財政や経済上の問題では終わらず、隣国との立ち位置にも悪影響を及ぼすだろうということ。リー氏の意見は冷徹だが的確でとても考えさせられる。今回は財政と経済の点だけに着目したい。

 

日本の危機

財政と経済の観点から言うと、消費が減るだけならまだいいのだが、国の負担は増え続ける。現在の社会保障費を消費税でまかなうとしたら35%に引き上げなければならない。最近発表されたが、年金がもらえる年齢を68歳に引き上げるそうだ。人口減と高齢化で消費市場が急減、負担も急増。日本経済の縮小を考えると食料やエネルギーの価格高騰を通じてさらに生活水準が下落し、消費者心理は悪化、さらに経済が縮小(海外移転)という悪循環になる可能性が高いと思う。人口1億人を超える大国で国民皆保険・皆年金を実施しているのは日本だけ。世界から大絶賛されたこのシステムが、今後の日本の若者を苦しめることとなる。

 

それをいち早く察したのか、ドンキ、ユニクロ、東急ハンズ、など既に多くの日系企業がシンガポールで店舗を構えている。雇用と税金を負担する能力がどんどん海外に出て行ってしまうのは日本経済には少なからずマイナスだろう。就活で耳にした「グローバル化」が全て日本企業たちの唯一の「サバイバル術」の言葉のように感じた要因でもある。

 

東南アジアの成長

では、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国はどうだろうか。合計6億人という巨大市場である。アメリカ・メキシコ・カナダを足してもASEANの方が多い。さらに、ASEANの平均年齢は20代ととても若い。消費者としても労働者としても、納税者としても大きな期待ができる。ある予測では、2025年に日本とほぼ同規模のGDPとなり、2050年までには日本のGDPを抜いて日本の倍以上のGDPになると予測されている。つまり、成長真っ盛りであり、そのような環境に若いうちから身を置くことで保守的ではない、チャレンジングで刺激のある生活がおくれるのではないかと考えた。実際に今現在、日本では考えられなかったほど充実した暮らしがおくれている。

 

さらに東南アジアの魅力が「日本大好きすぎ説」だ。とにかく日本の好感度・信頼度が高い。それは人やサービスに限ったことではないと思う。シンガポールのドンキの爆発的人気がまさにぴったりの例だろう。2014年の外務省による東南アジアの対日世論調査では、日本に対して肯定的なイメージをもつ人が9割を超えた。ここまでくると一種の「洗脳じゃないか」と思うかもしれないが、実際に現地に行ってみると日本人は好まれる傾向にあると肌感覚で感じることができる。ただ、どこも歴史があるのは事実だ。詳しくは書かないが、戦争時代を知っている年配の人からすると少々壁があるのを「日本人」として最初にマナーとして理解をしておくべきだと思う。

 

グローバルオールスター

留学を終えて「必ずシンガポールで働こう」と決めた。自分の場合はシンガポールに留学して現地の魅力に惹かれてしまったのでそのままシンガポールに決めた。もし他の東南アジアの地域に行っていたらその地を選んでいたのかもしれない。東南アジアには本当に多種多様な文化や宗教、価値観と人がいる。人は交流してみないとその面白みが分からない。東南アジアも住んでみて初めてその面白みが分かる気がする。仕事上でもそうだ。多種多様な人材がいるからこそ初めて人やビジネスの化学反応が生まれると信じている。

 

日本国内で働きながら、グローバルな仕事をするという選択肢もあった。ただ、どうしても世界人口の2%しかいない日本人だけでチームを組んで世界を相手に勝負をしたいという気持ちになれなかった。留学を経験して、少しは大人になった自分が思ったのは、Appleが、Alibabaが、Amazonが、国籍や人種に関係なく世界中のタレントを集めて、グローバルオールスターのチームを結成しているのに、どうやってオールジャパンが勝つんだということ。これは大企業に限ったことではなく、中小企業やベンチャー、ましてや大学でもそうだ。日本に残ったらどこかでオールジャパンのユニフォームを着させられるのではないかと不安だった。

 

違いを認めず、やたら同調圧力が高い社会。人と人の意見が違うのは至極当たり前なことなのに、自分とは違う意見があるとブログやツイッターを炎上させたり、職場では陰湿ないじめやパワハラをしようとする。同質性の高い社会にいるより、皆違うのが当たり前という東南アジアの社会に身を置いた方が自分にとっては健全だと思った。その点、シンガポールの駐在員の方々はとても柔軟で優秀な人が多い。いや、優秀すぎるくらいだ。どの方も価値観の違いに理解があり、理解がないと現地でやっていけないことを知っている。日本村に依存している人も多いが、ローカルの友人を持つ人もちらほら見かけることができる。

 

まとめ

特に学生など若者に伝えたいことだが、自国の力を過信せず、またどこかでおかしいと感じているのならその危機感にふたをせず、冷静に、ときには冷徹に自分のいる国を眺めてみることをオススメしたい。シンガポールの地をファーストキャリアとして選んだ自分が今言えることは

  • 英語ができる人は必ず海外就職も視野にいれる
  • 英語ができない人は現地で英語を学ぶ覚悟で海外就職を視野にいれる

の2点。東南アジアでの就職は日に日に厳しくなっていっている。というのも、日々経済が成長しているからだ。国が段々豊かになってきたのでそろそろ外国人用ビザを厳しくしようかという流れが少し前からある。なので、海外就職を考えている人は少々テンポアップすることが必要なのかもしれない。

 

今回の記事では「日本はだからダメ」「シンガポールは良い」というスタンスで書いたと思われるかもしれないが、実際どちらが良いかという議論は無駄だと思っている。どこも完璧な国家は無い。完璧な職場も無い。どの国でも住むと分かるが、良い点もあれば悪い点も見えてくる。反論を承知の上で一つ言わせてもらえるなら日本も移民政策を早い段階で真剣に考えた方が良いということ。あくまで自分の現時点の価値観からすると「東南アジアで経験を積んだ40歳の自分」と「日本国内で経験を積んだ40歳の自分」を比較した時に自分の夢が達成できそうなのが東南アジアだったというだけだ。

 

こっちで出会える日本人の若者と会うといつもこの話題で盛り上がる。異端な者同士、価値観がマッチする瞬間が最高に気持ちいい。外に出て初めて気づくが、自分たちは愛国心がある。おそらく日本にいる日本人以上に日本のことが好きだろう。日本の衰退は覚悟している。しかし、日本人としてどうにかしたい。自分の場合は日本に戻る予定は無いが、別に海外就職した後に日本に戻っても問題はない。とにかく、日本人の若者に外に出て様々な景色を見てもらいたい。そこで感じたこと、学んだこと、嬉しかったことを日本に持ち帰って広めて欲しい。日本人には心の広さがある。必ず沁みていく。

 

色々と考えることはあるだろうし、制限もあると思うが、数十年後のなりたい自分の姿に向かって現在の自分に嘘をつかずに人生の選択をしたほうがいい。若いうちは今だけ。心と身体に柔軟性と体力があるうちにやりたいことをやるのはいかがだろう。

 

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